日本学術会議第25期新規会員任命に関する声明

この度、日本学術会議が第25期新規会員候補として推薦した105名のうち6名が任命されていないこと、その措置に対して任命者が明確な理由を説明しようとしないことに、人文科学に関わる者として、深い憂慮と不信感を覚えます。日本学術会議の推薦通りの、6名のすみやかな任命を強く望んでいることを表明します。

2020年10月21日
仏教文学会委員会

(付記)

日本学術会議が第25期新規会員候補として推薦した105名のうち6名が任命されていない問題について、諸学会が抗議声明などを出しています。仏教文学会でも政府に抗議し、任命しない理由の説明を求めるべきとの声が多くの委員から寄せられました。この問題について委員会で議論したところ、多くの委員が声明に賛同しました。一方で、学会として声明を出すことに慎重であるべきとの意見もありました。しかし、6名が任命されないことおよびその理由の説明がなされないことを不適切と考えることについては、異論は出ませんでした。学会としての声明に慎重であるべきとの意見を表明した委員も、委員会で声明を出すことに反対ではありませんでした。以上の議論の結果、仏教文学会委員会は声明を発表することを決定し、ホームページで公表することにしました。なお、「仏教文学会委員会」とは「会則」で定める「委員」で構成されるものであり、「会則」の「付則」により設置された小委員会の委員は今回の議論に加わっていないことを念のため付け加えます。

また、この声明に関する議論は、兼任する委員の多い説話文学会委員会と交流しつつ進められました。同文の声明が説話文学会委員有志からも出されています。(説話文学会HP

追記(11月6日)

仏教文学会委員会は人文・社会科学系学協会の1学会として共同声明を出しました。なお、ここで言う「委員会」は上の「付記」で記したとおりのものです。共同声明は11月6日に発表されました。

追記(11月27日)

日本学術会議の11月12日記者会見資料に、「参考」として声明を出した学会の一覧が掲載されています。「仏教文学会」も記載されており、学会の総意として声明および共同声明を出したように見えますが、今回の声明は「仏教文学会委員会」によるもので、総会の議を経たものではありません。この点について、日本学術会議に正確な情報を記載するよう申し入れました。

仏教文学会代表委員 牧野淳司

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